生命現象の鍵である「糖鎖」の可能性
糖鎖は生命現象の鍵と考えられており、医学研究者の中には第1の生命鎖である拡散、第2の生命鎖であるタンパク質に次ぐ第3の生命鎖とも呼ばれています。
グリコースやキシロースなどが結合した化合物であり、極めて多彩な構造を持ってい結合する種類が1つでも異なると働きも違ってくると考えられるようになりました。
その役割は一の生命維持機能に深く関わっており、細胞やタンパク質を守る鎧であると同時に古くなった分解されて再利用されます。
またウィルスは糖鎖を利用して細胞内に侵入するため、新型コロナやインフルエンザのような感染症予防研究に加えて、新しいバイオ医薬品の開発への活用が期待を集めるようになりました。
研究開発の課題は、増殖システムの確立にあります。
人類は生命の設計図であるDNAを解析することに成功しましたが、この際には大腸菌や酵母を用いた増殖システムが研究に貢献しました。
2020年6月の段階では増殖システムが確立されておらず、構造そのものが複雑かつ多岐であるため、人為的に合成するしかなく世界にも少量しか存在しません。
研究開発の進展には増殖システムが欠かせませんが、研究は着実に進展しつつあります。
京都大学生命科学研究科教授である山本憲二氏は、微生物の酵素を利用する「Endo-M」を研究中です。
これは、タンパク質や脂質に結合している糖鎖を丸ごと取り出し、酵素を利用して他の物質に移し替えるものです。
今までにも酵素を使った方法はありましたが、Endo-Mはより複雑かつ多様な構造を持つものまで移し替えられることから共同開発を通じて研究が進められています。